ギリシャ(トルコ沿岸部)の地震(2020/10/30 M7.0)

(2020/11/6 更新)


図1:米国地質調査所(USGS)の1964年1月1日から2020年10月30日12:00(世界標準時)まで、M4以上、 深さ60kmまでの震源分布です。 ×印を示したのが今回の地震の震央(北緯37.8973,東経26.7953、深さ10km)です (震源時間は、日本時間10月30日20:51)。 国の領域としてはギリシャですが、トルコの沿岸部です。 その後、位置が以下のように改訂されました。37.918°N, 26.790°E,深さ21.0km。


図2:米国地質調査所(USGS)の1964年から2020年10月30日11:50(世界標準時)までの M6.5以上、深さ60kmまで震源分布です。最近は、大きな地震は起きていなかったようです。


図3:宇津カタログの1000年から2000年までのM7以上、深さ60kmまで震源分布です。
宇津カタログによると過去には被害地震が起きていました。
1688年7月10日の北緯38.4度、東経26.9度、M7の地震で17,500人の死者。
1883年10月15日の北緯38.4度、東経26.1度、M7.3の地震で120人の死者(1.5万人という説もある)


テクトニック図
この図ではエーゲ海プレートとアナトリアプレートの境界で起きた地震と考えられる。


図4a:米国地質調査所(USGS)はこの地域の地震を余り決めていないので、 ヨーロッパ・地中海地震センター(European-Mediterranean Seismological Centre=EMSC)の 2020年10月30日00:00から2020年11月6日03:00(世界標準時)までの ヨーロッパ・地中海地域版のMすべて、深さ60kmまで震源分布です。 余震域は、東西に広がっています。 震源断層は、トルコ内陸までは達していないようですが、余震は広がっていくかも知れません。


図4b:図4aの枠内の震源の時空間分布。上側が東で、トルコ側。


図4c:図4aの枠内の震源のマグニチュードの時間分布。最大余震がM5.1と少し小さい。


図5:グローバルCMTグループによるCMT解。Mw7.0で正断層。


図6:グローバルCMTグループによるCMTデータを使ったP軸水平面投影図(今回の地震まで)。 パラメータを示した上側の地震が今回の地震。 P軸が短い(立っている)のは付近では、1996年の地震だけ。


図7:グローバルCMTグループによるCMTデータを使ったT軸水平面投影図。 パラメータを示した上側の地震が今回の地震。 T軸の向きは、まわりの地震とよく似ている。


図8:ギリシア周辺の地質図(蟹澤聰史(2006)がvan Hinsbergen et al., 2005を簡略化)。下記地質ニュースの第3図。 https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/06_08_05.pdfより。
今回の地震の震源断層は、伸長デタッチメントのキクラディスコアコンプレックスの東延長部のように見えます。



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