2004年浅間山噴火関連



精密地震観測室(松代)での震動波形記録


1983年04月08日の噴火にともなった震動波形と今回のもの

今回の噴火に伴った松代アレイ全点の波形記録とビームフォーミング波形(初動後の大きなダウンの時刻で合わせて重ね合わせた)(小林正志氏作成)。
上から、菅平、入軽井沢、和平、滝本、大良、地蔵、中尾根観測点の各上下成分と松代の上下、南北、東西成分、全点上下成分の重ね合わせ波形。
上下成分を各点単独で見ると和平、松代では、P波初動方向をダウンとする可能性があります(この程度の波形では初動方向判定不能とした方が良い)。しかし、松代は上下成分でダウンを見える時刻より先に東西成分では明瞭なW方向が見えており、3成分を見ていればダウンと判定する誤りを避けられます(南北成分はあまり振動しない方向)。
では、なぜ和平や松代のように上下成分でアップの震動が明瞭でないのかという理由ですが、狭い10km程度の地域中の8点中2点にだけ見られるので震動源の影響と考えるより、観測点の特殊事情と考えた方が理解しやすい。松代の上下成分に矢印を書き入れましたが(書き込みが下手でちょっと左過ぎました)、アップに動いていたのが矢印の所でダウンに動きを変えています。これはここで別の波が来たからだと思われます。これがダウンの波だったのでアップがうち消されたのです。ビームフォーミングの波形でもアップへ動いた後、暫くして停滞しダウンへ動いています。これは松代と和平のダウンの波の影響ではないかと思われます。それでこのダウンの波は観測点極近傍の地表で反射した波と思われます。こんな反射波が出るのは人工爆破でも見られます。地表に近い震動源の場合の特殊例のようです。

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