新型コロナによる地震検知能力の変化?

(2020/9/18 更新)


図1:東京付近の震源分布。気象庁一元化震源データで2019年1月1日から2020年8月31日24時00分まで(日本時間)。
M1.0以下、M-2.0以上、深さ60km以浅の震源。


図2:図1の全域の震源の月毎回数図。4月以降は増えているように見える。


図3左図:気象庁一元化震源データで2020年4月9日から6月9日24時00分まで。 M1.0以下、M-2.0以上、深さ60km以浅の震源。
総数87個
右図:全域の震源の時間別発生数。以下の図4,5は、過去2年間の同じ時期のもの。


図4左図:気象庁一元化震源データで2019年4月9日から6月9日24時00分まで。 M1.0以下、M-2.0以上、深さ60km以浅の震源。
総数57個
右図:全域の震源の時間別発生数。夜間に検知されている地震はそれほど多くない。



図5:気象庁一元化震源データで2018年4月9日から6月9日24時00分まで。 M1.0以下、M-2.0以上、深さ60km以浅の震源。
総数74個
右図:全域の震源の時間別発生数。夜間に検知されている地震がそれほど多くない。

以上から、マグニチュード1.0以下という微小な地震を非常事態宣言が出された後は、 87個検知されていて、同じ期間の2018年の74個、2019年の57個に比べ多くなっている。
また、夜間の検知能力が上がっているようで、 営業時間の夜間自粛による夜間の社会活動の低下が影響している可能性がある。








図6:気象庁東京観測点の13時から1時間の観測波形。 左は非常事態宣言前の3月9日(月)から1週間で、 右は非常事態宣言後の4月13日(月)から1週間。左右は同じ曜日。 ノイズの差が明瞭に見えている。 流石に土曜、日曜はどちらもノイズが少ない。それでも4月18日の方が3月14日より静か (画像は、防災科学技術研究所のHPから入手)。ノイズが小さいと微小な地震の観測が可能になる。



図7上:イタリアの震源データ(INGV)で2010年1月1日から7月31日までの震源分布図。M0.5以下、深さ30kmまで。
下図:上図の枠内の地震の時間的累積数。 イタリアの全国ロックダウンは3月12日からで、5月4日から段階的に解除された。 青縦線、左が3月12日0時0分、右が5月4日0時0分。 ロックダウンの期間は傾斜が急になり、増え方が大きくなり、解除でやや低下している。





図8上図:気象庁一元化震源データで2020年1月1日から6月30日24時00分まで。 M1.0以下、M-2.0以上、深さ50km以浅の震源の分布。
中図:上図の震源の時間累積数変化。緑線が人が処理した震源、青線が自動処理の震源、赤線が合計。
このくらい規模が小さい地震はほとんどが自動処理によっています。赤線は4月下旬から増え方がやや大きくなっています。
下図:人が処理した震源の緑線の縦軸を拡大したもの。4月中旬から震源数の増加率が落ちているのがはっきり分かる。 しかし、中図を見ると4月下旬からは自動処理の震源が増えていて、その減った分を補っている。

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