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1918年11月11日（大正7年）02時59分と16時04分（M6.1とM6.5）。死者無し 震源要素：02時59分 東経137.9° 北緯36.5° 地殻内浅い マグニチュード６．１（理科年表） ：16時04分 東経137.9° 北緯36.5° 地殻内浅い マグニチュード６．５（理科年表） 気象要覧（大正７年11月号）の記事 東経 北緯 長径 短径 弱震面積 有感面積 11日02時59分 信濃大町附近 137.9 36.4 55 40 - 1880 6910 11日16時04分 信濃大町附近 137.9 36.4 60 40 - 2750 7540 この地震は、11日02時59分信濃大町附近に発現せし稍顕著地震にして、関東地方及中部地方の大半はこの地震を感じ、震源地地方に於ては多少の被害ありて人心恐怖せり。 信濃大町に於ては11日早朝03時頃の地震発現後多数の余震続発し、人心不安中、同日16時04分前回のものより強き稍顕著地震復た現われ、人心益々動揺せり。今、北安曇郡役所の調査に拠りて主なる被害を挙ぐれば左の如し。 倒壊 居宅 6 土蔵 6 附属建物 10 半壊 居宅 305 土蔵 358 附属建物 213 各地の震度(気象集誌第37年第12号参照) 強(震度弱き方)：長野 弱 ：松本、横浜 弱(震度弱き方)：津、飯田、高山、甲府、福井、新潟 微 ：金沢、浜松、岐阜、前橋、彦根、沼津、筑波山、足尾、宇都宮 無感覚 ：大阪、東京、水戸、横須賀、宮津、銚子、福島、函館、和歌山、名古屋 その他の文献に見られる記述 直前の地震活動 この地震の 9日前の11月 2日に 7回，翌 3日に 4回の地震を長野県北部の北安曇郡大町で感じたが，以後11月10日までは静穏に経過した．そしてこの地震当日11日02時59分頃にM5.9（36.5゜N，137.9゜E ）の地震が発生したが，長野測候所の観測によると，11日03時台に約２９回あった余震が 2時間後の05時台にはわずか２回と急速に減衰した．以後，この地震までの地震回数は時間当り 1〜 7回程度でそれほど活発とはいえなかった．(鈴木,1985) 大町附近に小規模な断層が見出され、その後に行はれた水準測量は大町を中心として南北十粁程の間に二十糎程の上昇のあつたことを示し殊に最大値は二十八糎に達している。(小平,1929) 参考文献 中村左衛門太郎,1918,大町ふきんの地震について（第１報）,気象集誌,37巻,390-401頁：気 中村左衛門太郎,1919,大町ふきんの地震について（第２報）,気象集誌,38巻,41-46頁：気 中村左衛門太郎,1919,大町ふきんの地震について（第３報）,気象集誌,38巻,147-151頁：気 堀越,1921,大町地方震災後家屋建築及修理ニ関スル注意,震災予防調査会報告,94巻,13-15頁：気、気研 大森房吉,1921,大正七年信州大町地方激震調査報告,震災予防調査会報告,94巻,16-69頁：気、気研 坪井誠太郎,1922,信州大町地震調査概報,震災予防調査会報告,98巻,13-22頁：気、気研 大森房吉,1922,大正七年信州大町地方激震調査報告,震災予防調査会報告,98巻,23-30頁：気、気研 大森房吉,1922,大正七年信州大町激震ノ調査第一回報告,震災予防調査会欧文紀要,10-1巻,p1-41：気、気研 小平孝雄,1929,地震に伴つた地形變動に就いて,地震,1巻,6号,p1-22. 井上宇胤,1933,地震回数の統計的研究,地震,5巻,1号,p21-32. 宮部直巳,1933,地震に伴へる地下水の異状に就て,地震,5巻,11号,21-58. 鈴木雄次,1985,図説前震の記録,自費出版,164pp.：気、気研、松代 宇佐美龍夫,1985,飛越地震と大町地震,地震予知連絡会会報,33巻,76-79頁：気、気研. 宇佐美龍夫,1987,新編日本被害地震総覧, 東京大学出版会,435pp：気、気研、松代. 茅野一郎・宇津徳治, 1987, 日本の主な地震の表,地震の事典,朝倉書店,467-552：気、気研、松代. 佃 為成・酒井 要・橋本信一・羽田敏夫・小林 勝,1988,長野県東部の地震（1986年，M4.9）及びそれに伴った地震群の活動特性とそのテクトニクス的意味,地震研究所彙報,63,237-272：気、気研. 多田尭・橋本学,1988,1918年(大正7年)大町地震の断層モデルとその地学的意義,地震U,41巻,259-262頁：気、気研、松代. 国立天文台,1993,日本付近のおもな被害地震年代表,理科年表,丸善,822-852.：気、気研 河内一男,2000,1918年信州大町地震の断層運動−−信濃川地震帯のテクトニクス(2)−−,地震U,53巻,65-72頁：気、気研、松代. 鷺谷威,2003,日本列島周辺で発生した大地震の静的断層モデル−−多田堯先生の業績と1918年大町地震の断層モデル−−,地球,25巻,1月,51-58頁. 文献最後の項は、どこに所蔵されているかを示しています。 地台：長野地方気象台 セ：松代地震センター(TEL 026-278-2825) 松代：気象庁精密地震観測室(TEL 026-278-2235) 気：気象庁図書 軽：軽井沢測候所 気研：気象研究所 戻る |