1984年長野県西部地震


1984年9月14日(昭和59年)午前8時48分頃。死者29
震源要素:08時48分49.4秒 東経137°33.6' 北緯35°49.3' 深さ2km マグニチュード6.8(気象庁)

 この地震は、震源断層が御嶽山南麓にあり、東北東ー西南西走向のほぼ鉛直の右ズレ断層。王滝村に大きな被害をもたらした。特に御嶽山の中腹から起きた地滑り(崩壊)は谷筋を高速で滑り落ち大きな被害を引き起こした。長野県の地震では、地滑りが特に注意する必要がある。
なお、この地震では震源域直上で石や木片が飛んだという報告があり、地震動が局地的に重力加速度を越えた場所があったと思われる。

長野県西部地震の震度分布。

参考文献
堀内茂木・山本明・松澤暢,1985,1984年長野県西部地震余震観測データの現地自動処理について,地震U,38巻,4号,529-540頁:気、気研、松代.
加藤完・高橋誠・吉川清志,1986,長野県西部地震の前兆としての震央周辺におけるαトラック法によるラドン濃度異常,地震U,39,1,47-56頁:気、気研、松代.
杉崎隆一・杉浦孜,1986,長野県西部地震に伴う温泉ガス・火山ガスの前兆的組成変動−地殻歪および岩石破壊と地下ガス組成変動−,地震U,39巻,1号,99-110頁:気、気研、松代.
梅田康広・黒磯章夫・伊藤潔,1986,1984年長野県西部地震による震央付近の大加速度,地震U,39巻,2号,217-228頁:気、気研、松代.
村上英記・山田功夫・藤村彰夫,1986,1984年長野県西部地震の震央周辺における全磁力調査,地震U,39巻,3号,361-370頁:気、気研、松代.
飯尾能久,1986,地表近くで発生した極微小地震(M=−3)−1984年長野県西部地震の余震),地震U,39巻,4号,645-652頁:気、気研、松代.
佐伯龍男・梅田康弘,1988,1984年長野県西部地震の破壊域におけるS波偏向異方性,地震U,41巻,2号,163-171頁:気、気研、松代
翠川三郎・竹田尚史・年縄巧,1988,1984年長野県西部地震で石の跳躍現象から推定した震源域の地震動強さ,地震U,41巻,3号,381-388頁:気、気研、松代
飯尾能久,1990,長野県西部地震による木曾御岳ゴルフ場での地変,地震U,43巻,4号,551-553頁:気、気研、松代
小林昭夫・吉田明夫・高山博之,1992,1984年長野県西部地震後の北信および上越地域への地震活動の移動,地震U,45巻,3号,353-356頁:気、気研、松代
島田篤・宮武隆・谷山尚,1996,動力学モデルによる断層近傍の強震動−1984年長野県西部地震−,地震U,49巻,2号,179-191頁:気、気研、松代


文献最後の項は、どこに所蔵されているかを示しています。
地台:長野地方気象台
セ:松代地震センター(TEL 026-278-2825)
松代:気象庁精密地震観測室(TEL 026-278-2235)
気:気象庁図書
軽:軽井沢測候所
気研:気象研究所

戻る