滋賀県の主な地震 図1:気象庁震源による震度分布.1982年から2016年まで,深さ80km以浅,M>=1. 図2:図1の枠内の断面図.右側(B側)が南東側. 約25kmより浅い震源は地殻内で起きているもので, その下に少し間を置いて右側から左へ深くなっている震源は,陸のプレートの下に南海トラフから沈み込んだフィリピン海プレートの中で起きています. 図3:地殻内で起きている震源の分布. 図4:歴史時代の715年から2016年までに起きたM6.5以上の地震の震源と活断層の分布. 滋賀県内と隣接地で起きた地震は,発生年などを示しています. 滋賀県に被害をもたらした主な地震(主に「理科年表(日本付近のおもな被害地震年代表)」より) 976年7月22日(貞元元年6月18日)34.9 ° N 135.8 ° E M ≧ 6.7 山城・近江:両京で屋舎・諸仏寺の転倒多く,死 50 以上.近江の国府・国分寺・関寺(大津市)で被害.余震が多かった. 1096年12月17日(永長元年11月24日)M 8.0 〜 8.5 畿内・東海道:大極殿小破,東大寺の巨鐘落ちる.京都の諸寺に被害があった. 近江の勢多橋落ちる.津波が伊勢・駿河を襲い,駿河で社寺・民家の流失 400 余.余震が多かった.東海沖の巨大地震とみられる. 1185年8月13日(文治元年7月9日)35.0 ° N 135.8 ° E M ≒ 7.4 近江・山城・大和:京都,特に白川辺の被害が大きかった. 社寺・家屋の倒壊破損多く死多数. 宇治橋が落ち,死1.9月まで余震多く,特に8月12日の強い余震では多少の被害があった. 琵琶湖の湖水減少. 1325年12月5日(正中 2年10月21日)35.6 ° N 136.1 ° E M 6.5 近江北部・若狭:荒地・中山崩れる.竹生島の一部が崩れて湖中に没した. 越前国敦賀郡の気比神宮倒潰.京都で強く感じ,余震が年末まで続いた. 1586年1月18日(天正13年11月29日)36.0 °N 136.9 ° E M ≒ 7.8 畿内・東海・東山・北陸諸道:飛騨.白川谷で大山崩れ,帰雲山城,民家 300 余戸埋没し,死多数.飛騨・美濃・伊勢・近江など広域で被害. 近江長浜で被害. 1596年9月5日(慶長元年閏7月13日)34.65 °N 135.6 ° E M = 7 1/2 畿内:京都では三条より伏見の間で被害が最も多く,伏見城天守大破,石垣崩れて圧死約500. 諸寺・民家の倒壊も多く,死傷多数. 堺で死600余.奈良・大阪・神戸でも被害が多かった.余震が翌年4月まで続いた. 現在の栗東市で家屋被害,死者多数. 1662年6月16日(寛文 2年5月1日)35.2 ° N 135.95 ° E M 7 1/4 〜 7.6 山城・大和・河内・和泉・摂津・丹後・若狭・近江・美濃・伊勢・駿河・三河・信濃:比良岳付近の被害が甚大. 滋賀唐崎で田畑 85 町湖中に没し潰家 1570.大溝で潰家 1020 余,死 37.彦根で潰家 1 千,死 30 余.榎村で死 300,所川村で死 260 余.京都で町屋倒壊 1 千,死 200 余など.諸所の城破損. 大きな内陸地震で,比良断層または花折断層の活動とする説がある. 1707年10月28日(宝永4年10月4日)宝永地震 滋賀県では,死者1,家屋全壊80棟. 1731年11月13日(享保16年10月14日) 近江八幡・刈谷:近江八幡で青屋橋の石垣破損し,刈谷で本城厩前の塀倒れる. 1802年11月18日(享和 2年10月23日)35.2 ° N 136.5 ° E M 6.5 〜 7.0 畿内・名古屋:奈良春日の石灯籠かなり倒れ,名古屋で本町御門西の土居の松倒れ,高壁崩れる.彦根・京都で有感.やや深い地震か? 1819年8月2日(文政 2年6月12日)35.2 ° N 136.3 ° E M 7 1/4 伊勢・美濃・近江:近江八幡で潰家 82,死 5.木川下流では香取(多度町)で 40 軒全滅,金廻では海寿寺潰れ圧死 70.名古屋・犬山・四日市・京都などのほか,金沢・敦賀・出石・大和郡山などでも被害. 1830年8月19日(天保 元年7月2日)35.1 ° N 135.6 ° E M 6.5 京都および隣国:洛中洛外の土蔵はほとんど被害を受けたが,民家の倒潰はほとんどなかった. 御所・二条城などで被害.京都での死 280.上下動が強く,余震が非常に多かった. 県内では,大津で死者1人,負傷者2人,家屋全壊6棟. 1854年7月9日(安政元年6月15日)34.75 ° N 136.1 ° E M 7 1/4 伊賀・伊勢・大和および隣国:12 日頃から前震があった. 上野付近で潰家 2 千余,死約 600,奈良で潰家 700 以上,死約 300 など,全体で死者は 1500 を越える.上野の北方で西南西−東北東方向の断層を生じ,南側の 1km の地域が最大 1.5m 相対的に沈下した.木津川断層の活動であろう. 1891年10月28日(明治24年)35.6 ° N 136.6 ° E M 8.0 岐阜県西部:『濃尾地震』:仙台以南の全国で地震を感じた. わが国の内陸地震としては最大のもの. 建物全潰 14 万余,半潰 8 万余,死 7273,山崩れ 1 万余. 根尾谷を通る大断層を生じ,水鳥で上下に6m ,水平に 2m ずれた. 県内の被害は,死者6人,負傷者47人,家屋全壊404棟. 1909年8月14日(明治42年)35.4 ° N 136.3 ° E M 6.8 姉川地震 滋賀県東部:『江濃(姉川)地震』:虎姫付近で被害が最大. 滋賀・岐阜両県で死 41,住家全潰 978.姉川河口の湖底が数十 m 深くなった. 県内の被害は,死者35人,負傷者643人,家屋全壊972棟. 1944年12月7日(昭和19年)東南海地震 M 7.9 県内の被害は,家屋全壊7棟. 1946年12月21日(昭和21年)南海地震 M 8.0 県内の被害は,死者3人,負傷者1人,家屋全壊9棟. 1952年7月18日(昭和27年)吉野地震 M 6.7 県内の被害は,死者1人,負傷者13人,家屋全壊6棟. 2004年9月5日(平成16年)紀伊半島南東沖地震 M 7.4 県内の被害は,負傷者1人. 2018年6月18日(平成30年)大阪府北部の地震 M 6.1 県内の被害は,軽傷者3人. 参考資料・文献 今村明恒,明治四十二年姉川地震調査報告 震災豫防調査會報告. 第70號, 1910.11, pp. 1-63. 岡田 篤正,2004,柳ケ瀬断層南部における第四紀後期の累積変位量と平均変位速度,活断層研究,p.129-138. 滋賀県の地震活動の特徴(地震本部 政府) 滋賀県地震被害想定(平成26年3月) 滋賀県地震防災プラン 彦根地方気象台の「過去の地震の被害」のページ 戻る |